2021年度 実践!バリアフリー講座「視覚しょうがいの理解と支援の実践」開催報告
日時 |
2021年10月9日(土)13:30~15:30 |
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場所 |
オンライン(Web会議システムZoomによるウェビナー形式) |
講師 |
佐藤 北斗 氏(筑波大学附属学校教育局、筑波大学附属視覚特別支援学校併任教諭) |
実施内容 |
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参加人数 | 学生20名、教職員38名 |
実施後記
佐藤氏がこれまで多様な視覚しょうがいのある方と関わってこられたご経験からの講演により、まったく見えない人、明暗がわかる人、色がわかる人、ぼんやりと形がわかる人、近づけば文字が読める人など、見え方は人によってさまざまなことがわかりました。具体的な見え方のイメージだけでなく、使用する教材や道具、学習方法についても多くご紹介いただき、理解が深まりました。
協力してくれた視覚しょうがいのある学生6名の見え方もさまざま。学生の説明で、実際にスクリーンリーダー(音声読み上げソフト)でどのように文字情報を聞いているのか、ものを触って理解する際にどのような工夫があるのかも体験しながら知ることができました。また、点字の基本的な仕組みや実際に墨点字(晴眼者に点字を説明するための、墨字で表した点字)を点字一覧表と照らし合わせて読んでみる体験を通して、点字が身近に感じられた参加者もいたようです。写真の内容を「音声ガイド」で伝える体験では、オンライン上でグループに分かれ、視覚しょうがい学生がそれぞれファシリテーターを務めました。言葉の選び方ひとつで想像できるイメージが随分と変わることが実感でき、各グループで盛り上がっていました。
バリアフリー講座としては初のオンライン開催となり、打合せを何度も重ねたことや、講師のアイデアと、視覚しょうがい学生の協力に支えられて、参加者にとって充実した学び・体験になったことがアンケートから読み取れました。講座の最後に講師からお話があったように、実体験から学ぶことや、自分たちにできることは何かをお互いに考え続けることの大切さを改めて感じる機会となりました。
参加者の声
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※開催後に実施した参加者からのアンケートより
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視覚しょうがいの方の支援ツール(ブラウザ読み上げなど)の存在は知っていたが、具体的な利用状況を再現していただき、とてもよく理解することができた。今後もあらゆるシステムやWebサイトにおける、アクセシビリティについて留意していきたい。
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視覚しょうがいの学生が、どのように学生生活を送っているのかを伺うことができ、イメージがついた。器具や装置についても具体的な使用方法を知ることができ、ぜひ業務に役立てたい。
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見え方はそれぞれである前提で、おおよそこのように見えている・このように文字を読んだり聞いたりしているなどの体感がわかりやすく、自分ごととして捉えやすかった。
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最初の一言で相手を安心させてあげられる思いやりに触れ、自分自身はそのような心持ちで日々人と接することができているか、自戒の思いも湧き、自分も含めそのような声掛けが当たり前になるほど住みやすい社会になるのだと思った。
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最後に行った何がどこにあるのか説明する体験では、完璧にこなすことよりもちょっとした気遣いや思いやりをもって取り組むことが大切だと教わった。
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家にいながらでも十分に体験できることに驚いた。また、体験を通して、今まで気づかなかった不安な点や苦労している点を知れたので、今後の生活で気にしていこうと思った。
バリアフリー講座の様子


