秋季人権週間プログラム講演会『ヤングケアラー:子どもや若者がケアを担うということ』を対
面・Zoomウェビナーにて開催しました。講師に、成蹊大学文学部現代社会学科教授の澁谷 智子(
しぶや・ともこ)氏をお招きし、子どもの権利や社会全体で取り組んでいくことについてお話いた
だきました。
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日時
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2025年11月21日(金) 18:00~19:30
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会場
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対面 池袋キャンパス 8号館2階 8202教室
オンライン Zoomウェビナーにて配信
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講師
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澁谷 智子(しぶや・ともこ)氏 (成蹊大学文学部現代社会学科教授)
講師プロフィール
澁谷 智子(しぶや・ともこ)
1974年生まれ。成蹊大学文学部現代社会学科教授。博士(学術)
東京大学教養学部卒業後、ロンドン大学ゴールドスミス校大学院社会学部 Communication, Culture and Society学科修士課程、東京大学大学院総合文化研究科修士課程・博士課程で学ぶ。日本学術振興会特別研究員、埼玉県立大学非常勤講師などを経て、現職。専門は社会学・比較文化研究。
著書に『コーダの世界』(医学書院、2009年)、『ヤングケアラー――介護を担う子ども・若者の現実』(中公新書、2018年)、編書『ヤングケアラーわたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護』(生活書院、2020年)、『ヤングケアラーってなんだろう』(ちくまプリマー新書、2022年)など。
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参加者
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本学学生、教職員、一般
合計89名
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講演内容
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今回の人権・ハラスメント対策センター主催の秋季人権週間プログラム講演会は、成蹊大学の澁谷智子先生をお迎えして、『ヤングケアラー:子どもや若者がケアを担うということ』をテーマとして「ヤングケアラー」について考える内容となりました。
まず、導入としてヤングケアラーの定義と実態について触れられました。ヤングケアラーとは一般的に「慢性的な病気や障がい、精神的な問題などを抱える家族の世話をしている18歳未満の子どもや若者」と定義され、家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもたちであると説明されました。また、国内では法改正により「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義され、18歳以上も支援対象に含まれることや、ケアの内容もきょうだいの世話や日本語を話せない家族の通訳など多岐にわたる現状が解説されました。続いて、元ヤングケアラーの「Aさん」の事例が紹介されました。精神的に不安定な母親の対応に苦慮する中、相談した周りの方からは「君の人生なんだから親なんか捨てて自分で歩めばいい」「早く入院させればいい」といった現実的ではない言葉を投げかけられたことで、「大人は信頼できない」「冷たい」という感覚を持ち、誰にも言わずに一人で抱え込んでしまったという過酷な実態が語られました。
次に、ヤングケアラーを生み出す社会構造について論じられました。少子高齢化による人口減少や、共働き世帯の増加に伴う大人の「役割過多」が背景にあり、大人の余裕のなさが子どもへのしわ寄せとなっていると指摘されました。また、国の中高生調査などのデータを示し、ケアに費やす時間が長時間に及ぶことで、勉強や睡眠、友人関係といった「当たり前の生活」が徐々に損なわれていく影響について説明されました。
支援のあり方については、「啓発」「状況悪化防止」「事後対応」の3段階のうち、特に手前の段階での「状況悪化防止」が不足していると強調されました。深刻な状況になる前に、子どもが安心して過ごせる居場所や、同じ立場の仲間と出会える機会を作ることの重要性を説かれました。その具体例として、イギリスや横浜で開催された「ヤングケアラーズフェスティバ
ル」の様子を紹介し、支援には「実用と楽しさ」を兼ね備えた、家族の体面を守りながらカジュアルに繋がれる仕組みが必要であると述べられました。
最後に、澁谷先生は「ケアは家族だけの問題ではなく、社会全体で支えるもの」という意識変革の必要性を訴えられました。子どもがケアを担うこと自体を全否定するのではなく、その経験を肯定的に捉え直しつつも、一人の子どもとしての権利や自分の人生が守られる社会を目指すべきだというメッセージで締めくくられました。貴重な気づきをもたらす機会となった今回のご講演をお引き受けいただいた澁谷先生に、改めて厚く御礼申し上げます。
(リサーチ・イニシアティブセンター 内藤裕希)
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参加者の声
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ヤングケアラーと言うと、子どもの側にばかり注目していたが、ケアを受ける側について考えることも大切だと気づき、もっと広い視点を持ってこの問題と向き合いたいと思いました。
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当事者や周囲の人々など、様々な視点から広く学ぶことができた。また、人口や家族形態の変化も、家族内のケアに大きな影響を与えていることが分かった。学んだことをいかし、ヤングケアラーにどのような支援を行っていくべきか、海外の事例も参考にしながら考えていきたい。
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イギリスとの比較が興味深かった。ヤングケアラーは日本特有の問題だと認識していたため、他国の事例や、捉え方の差異を学ぶことができ、さらに興味が深まった。
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法や支援、イギリスの事例、具体的にどんな状況なのかという事例、アンケート調査からわかったことなど、いろいろな観点から説明してくださり、勉強になりました。
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ヤングケアラーという言葉を聞いたことはあっても、単に介護というだけでなく様々なケースが存在すること、当事者が抱える心の問題を知ることができた貴重な機会であった。
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気を付けているつもりでも、思い込みのようなものを持つことはさけられず、ヤングケアラーについても悪質な虐待のケースのようなイメージと重ね合わせてしまっている自分に気づき驚かされました。お話にあったように用語の使い方に影響されている面などもあるのかと思いました。
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イギリスのヤングケアラーの集いや横浜のフェスティバル等、これから注目に値するであろう最新事例も紹介いただき、これから実現されるべき様々な支援の形の1つが見えたように思えます。
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