ICPSR利用方法について

ICPSRとは、社会科学に関する調査の個票データを世界各国や国際組織から収集・保存し、それらを学術目的での二次分析のために提供する世界最大級のデータアーカイブです。ICPSRが提供するデータアーカイブには、様々テーマで収集された500,000を超えるファイルが所蔵されています。

立教大学はICPSR国内利用協議会を通じてICPSRに加盟しており、所蔵されているデータの大半を学術目的で自由に利用することできます。

ここでは、ICPSRの利用方法について紹介します。

①アカウントの作成

データの利用には、自分のアカウントが必要になります。ここではV-Campus IDを使ったアカウント作成方法を説明します。初めに立教大学のネットワークからICPSR本部のアカウント作成画面にアクセスし、以下の情報を記入します。

  • E-mail アドレスとパスワード
  • 自分の First Name(名前)、Last Name(名字)
  • Organizational Affiliation(所属組織)、Department / Field(学部/専攻)
  • Privacy の設定は Yes にしてください。最後に「submit」をクリックします。

これでアカウント作成は終了です。作成したアカウントでログインすれば、立教大学内・学外ネットワークを問わず、データの利用が可能になります。ただし、半年以上学内ネットワークからのログインがない場合は、学外ネットワークから利用できるデータに制限がつくので注意してください。

②データの検索

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    ICPSR本部サイトのトップページ上部に「Search Data and Publication」に検索クエリを入力し「Search」をクリックすれば、関連するデータや成果物を検索することができます。

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    また、探索的にデータ検索をする場合は「FIND DATA」をクリックし、「FIND DATA」を選択します。データがTopics(トピック)・Series(調査シリーズ)・Geography(地域)などで分類されているので、探したい分類を選択し、関心のある項目を選びます。

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    データの一覧画面の左にあるFilter Resultsから、さらに、Subject(調査主題)やGeography(地域)、Data Format(利用可能なデータフォーマット)、Time Period(調査年度)、Recency(登録の時期)などの条件から検索の幅を狭めることができます。

③データをダウンロードする

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    検索条件に該当するデータの名前をクリックすれば、そのデータに関する詳細な情報が表示されます。

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    データのダウンロードは、左フレームにある「Quick Download」、もしくは右フレームの「Dataset(s)」から行います。データ形式は複数用意されているので、自分の分析環境にあったデータ形式を選択してください。

なお、「Dataset(s)」には、例えば「SPSS」と「SPSS Setup」のように、「~Setup」がついているものとついていないものの2つが並列している場合があります。「~Setup」がついていない項目を選択すると、すでに変数定義などの処理が行われた、すぐに分析できる状態のデータがダウンロードされます。対して、「~Setup」がついている項目を選択すると、テキストデータと各統計パッケージに対応したスクリプト(SPSSならsps)がダウンロードされ、利用者側でスクリプトを実行する必要があります。各統計パッケージにおける具体的なやり方は、以下のページを参考にしてください。

該当するデータ形式をクリックすると、使用条件(Terms of Use)のページに移ります。必ず記載内容を確認してください。なお、典型的な使用条件を日本語に訳出したものはこのページで確認できますので、参考にしてください。記載されている使用条件を遵守できる場合は「I Agree」を押してください。選択したデータのダウンロードが始まります。

データのほとんどは、(学内ネットワークから作成したアカウントを用いる場合)自由にダウンロードすることができます。ただし、サンプルの匿名性等から制約がつけられているデータも一部存在しており(Restricted-Use Data)、上のやり方ではダウンロードできません。こうした制約のつけられたデータの見分け方、および利用方法については、このページを参照してください。

④論文執筆時の引用と利用報告

ICPSRから提供を受けたデータを用いて論文を公表する際、使用したデータの情報を論文中で引用する必要があります。また、論文の書誌情報をICPSR本部に伝える必要もあります。引用のテンプレートは、当該データのページにある「Study descriptions」の「Citation」などで確認できます。なお、引用テンプレート中の提供先([distributor])には、「ICPSR」だけではなく、「ICPSR 国内利用協議会(ICPSR Japanese National Membership)」を明記する必要があります。

書誌情報の報告には、この報告フォームを利用してください。

⑤その他

ここではアカウント作成からデータの検索・ダウンロード、使用報告までの流れを説明しました。しかし、他にも、例えば変数の検索や当該データを使用した論文の検索といった様々なアイテムの検索が用意されています。また、オンライン上でリコードや新しい変数の作成、簡単な分析(記述統計や重回帰、ロジット・プロビット)ができるSDA(Survey Documentation and Analysis)機能が、一部のデータには用意されています。これらデータアーカイブの利用に関わる有用な情報は、以下のページでみることができます。参考にしてください。