著作権とは何ですか?
文章や写真、音楽、ソフトウェアなどの著作物を作った人の権利を守る、これが「著作権」の基本的な考え方です。これらの著作物を複製、転載、改変する場合には、著作(権)者の意向を守りましょう。作品をまるごと転載するなど、著作権侵害にみえる行為でも、著作者自身の許可があれば、問題はありません。(その場合は、「著作権者である○×さんの許可を得て転載」という注記をつけるようにしましょう)。
しかし、著作権者の許可なく、著作物である作品をまるごと転載したり、楽曲の MP3 ファイルや市販プログラムをサーバー上で公開したりすると、著作権法違反となり、刑事責任を問われることもあり得ます。他人の著作物を尊重する姿勢を忘れずに、知らず知らずのうちに著作権をおかすことがないよう留意しましょう。
自分のホームページでアイドルの写真ファイルを掲載しています。同じような内容の個人サイトは他にもたくさんあるので問題はないと思うのですが。
無断で掲載している以上「肖像権の侵害」にあたります。他のサイトも同様です。
写真集などからスキャンしたものであれば、その著者や出版社の権利も侵害していることになります。そのほか、有名人だからといって私生活上の事柄をみだりに公表したり、社会的評価を低下させるような事実をホームページで公開したりすると、名誉毀損やプライバシー権の侵害になります。また、事実の公表でなくても名指しで侮辱した場合には、侮辱罪や損害賠償の問題となることがあります。ネット掲示板への書き込みにおいても同様の扱いとなります。
ある記事が新聞で報道されました。その記事をホームページで紹介したいのですが、何か承諾が必要ですか?
承諾が必要な場合と必要でない場合とがあります。
事実の伝達に過ぎない雑報及び時事の報道の場合は承諾不要ですが、社説など、記者の思想や感情が加わった記事の場合は著作物となりますので、他人が著作物を無断で利用することは許されません。
個人で非営利の趣味のホームページを運営しています。非営利なのですから、他人の文学作品や写真等を掲載するのに許可はいらないと思いますが、問題はありますか?
その作品に著作権がある限り、その著作者に無断で掲載することは公衆送信権の侵害となります(インターネットでの公開は、公衆送信権に該当します)。自分ひとりあるいは少数の仲間の間だけで楽しむ限定公開の形ならば良いのではないか、という質問が出るかと思いますが、結論はやはり不可です。
理由はいくつかあります。前記の公衆送信権の侵害に当たること、私的利用で許されているのは限定された範囲での「複製」だけであること、ネットでの掲載は非公開を意図した利用であっても著作権法で許されている私的利用の範囲を超えることなどです。
授業で作成したホームページ等についても同様です。著作者の許諾無しに作品の掲載、転載をしてはいけません。
ガイドブックの写真や絵はがき等、誰が写しても同じような街中の風景写真であれば、勝手にホームページに掲載してよいですか。また、単なる青空と雲の写真なら、どうですか。
このような写真でも、原則として著作物であり、著作権者に無断で掲載することはできません。一見、何の変哲もないように見えても、何を表現するかの意思決定のほか、構図、タイミング等も考慮して、作者なりに工夫した結果を作品に表現しているはずです。これは、単なる青空と雲を写した写真についても同じです。原則として著作物に当たり、著作権の対象として法的保護が与えられていると考えておくべきです。
ホームページのバックで好きなアーティストの音楽を流したいと思います。正規に購入した CD を利用するつもりですが、著作権侵害になりますか? 30 秒以内なら良いと聞きましたが、本当ですか?
30秒以内でも著作権侵害になります。秒数や、正規に購入したか否かは関係ありません。ホームページに無断公開した時点で違法です。
音楽CD をコピーすることは違法ですか?
基本的には、音楽 CD、ビデオ、テレビ番組などの著作物をコピーすることは認められています。ただし、自分自身や家族の間だけで利用するといった「私的使用の範囲内」に限られています。そのため、許可なくコピーしたものを友人や知人に貸したり譲渡したり、ましてや売ることは違法になります。
「ファイル交換(共有)ソフト」を使用することは、違法ですか?
Winny などの「ファイル交換(共有)ソフト」は、このソフトをインストールしている人たちで自動的にネットワークを形成し、お互いに所持しているファイルのリストを交換(共有)することができるソフトです。
希望するファイルを指定すると、他の人のパソコンから自動的にダウンロードされ、インターネット上の不特定または多数の他のユーザからのリクエストがあれば自動的に送信できる状態に設定されます。
交換されるファイルが、自分で作詞/作曲した音楽や自分で作成した文書であれば「私的使用」となり問題はありませんが、他人が作成した著作物であり、しかも著作者の許諾なしで交換されることによって著作権侵害となる場合や、著作権を侵害する行為によって作成されたファイルを交換によって入手する場合には違法と考えられます。
自分が意図しなくても、ソフトをインストールして起動するだけで著作権侵害行為に加担する恐れがあるため、「ファイル交換(共有)ソフト」の使用は自粛しましょう。
他人のホームページに、無断でリンクを張ってはいけないのでしょうか?
リンクを張ることは原則的に自由です。
ただ実際問題として、リンクされる側はホームページの製作意図に沿って利用してもらいたいわけですから、その意図に反する利用をされた場合(例えば、純愛を描いたページが猥褻なページにリンクされるような場合)は、クレームを付けられる場合があります。したがって他人のホームページにリンクを張る場合はその開設者から承諾をもらうようにしましょう。
自分のホームページに、本や雑誌の内容を引用しても良いですか?
著作権法上で規定されている「正当な引用の範囲内」であれば、許可なく引用することができます。しかし、引用したのがどの部分かはっきりと分かるようにカギカッコで括るなどの区別をしたうえで、出典、タイトル、著作権の所在などを明示しなくてはなりません。
著作権に関する知識を得るには?
以下のインターネットのホームページなどで、著作権に関する基礎知識や最新動向について情報が提供されています。こうした情報を利用して、常に正しい知識を持つよう心がけましょう。